徒然草(於 ジュネーブ)

2022年3月から仕事でジュネーブに赴任しました(2回目)。日々の生活やスイス、ヨーロッパの風物など徒然なるままに…

ジュネーブ4日目(ラヴォー地区へハイキング)

レマン湖の北岸にはワイン用葡萄の畑が広がっていますが、その中でラヴォー(Lavaux)地区と呼ばれる地域は11世紀あるいはそれ以上に遡る古い歴史を持ち、自然と人間とが相互作用し、地域の資源を最適に利用して地域経済に重要な高品質なワインを生産してきたということで、ユネスコの世界遺産に登録されています。

氷河期に、氷河によって柔らかい地層が大きく削られて硬い地層は残ったため、地層に沿って段差がつくられ、そこに人間が石垣を築いて今の段々畑の景観となったとのこと。そして湖に面した急斜面ということで、冷涼な気候に関わらず太陽からの恩恵に恵まれていて、ラヴォー地区には”3つの太陽がある”と言われています。空から、湖の照り返し、そして石垣が吸収し夜に再放出される太陽熱と。

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2022年3月6日のラヴォー地区。剪定が進んでいる時期。

ジュネーブからは、ターミナル駅であるコルナヴァン(Cornavin)駅から電車に乗ってヴヴェイ(Vevey)駅で乗り換え、シェブル・ヴィラージュ(Chexbres-Village)駅で下車。所要時間は1時間少々です。そこから少し歩くと上の写真のような風景が広がっています。

訪問した2022年3月6日は、ラヴォー地区の畑では剪定作業が進められている段階でした。すっきりと枝を1本残した形になっている畑もあれば、まだ何本も枝が残っている畑もありました。ラヴォー地区の畑の多くはシャスラ種ですが、枝を1本残す仕立てのところがほとんどのようです。

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ぶどう畑に春の訪れ

木々の間にはたんぽぽなど春の花が咲き、石垣ではトカゲが日向ぼっこをしていました。湖から吹き上がる風はまだまだ冷たいですが、春は確実にきているようです。東京よりもむしろ花々の開花は早いのではないかと感じるほど。

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風は冷たくてもピクニック日和

 

ジュネーブ3日目(携帯電話の契約)

朝一番で携帯電話の契約の相談をしに、携帯ショップ(Swisscom)へ。オンラインでの購入に必要書類が揃っていないため、まずは相談できたらいいなくらいの気持ちでした。

マスクを付けた店員さんが順々にマンツーマンで対応していて、受付で名前を告げて順番待ち。フランス語を解さない残念なわたしは、英語でコミュニケーションができる店員さん待ちとなりました。

まだ身分証がないので、パスポートと、国際機関職員としての身分証(Carte de légitimation)を申請している旨の職場からの書類(attestation)を持参しましたが、それでOKとなり手続きを進められました。プラン(日本に比べてすごくシンプルで良い)を選んで、機種を選んで(欲しかった iPhone SEがありました。第一世代に比べて一回り大きくなったんですね)、ついでにインターネットとテレビの相談もして、1時間ほどで使えるようになった携帯電話を持って帰ることができました。

帰りがけに「英語が拙くて申し訳ない」と店員さんから言われましたが、こちらこそ当地の公用語であるフランス語以外での対応をお願いして申し訳ないです。昨日のスイス国鉄の対応といい、とても柔軟で無駄足を踏ませない対応は素晴らしいと思います。

ジュネーブ2日目(初出勤とスイス国鉄半額パス)

本日は職場への初出勤。9時に来てねと言われて入口で入館証を発行してもらい、上司や同僚に挨拶回り。とはいえ、2018年に来た時とあまり人は動いていないので、初めましてよりも再会を喜ぶ形に。新型コロナ感染症の影響で、先月まではテレワークの日々が続いていたとのことですが、今月からベースはオフィスへの出勤に。もともと対面での(さらに言えばフィジカルな)コミュニケーションを好む人なので、マスクもテレワークも大きなストレスだったようです。本当にいい時期に戻ってきたと、多くの人に言われました。

オフィスは個室をいただくのですが、前の住人の引越しが済んでいないので、今日は他人の部屋に上がり込んだ格好でした。月曜には片付くらしいですが、スニーカー、マグカップにお皿、積み木(何に使うのか)、服と、生活感あふれるオフィスでした。

仕事帰りにジュネーブのターミナルであるコルナヴァン駅に寄って、スイス国鉄の半額パスを購入。これは初年度185スイスフランスイス国鉄の切符が基本半額(登山鉄道など一部例外あり)で購入できる優れもの。スイスのIDがあればオンラインでも買えますし、書面での申請フォームもスイス国鉄のホームページに掲載されています。が、わたしはID申請中の身なのでとりあえず駅に行くと。

「IDはある?」「パスポートならある」「OK」

「これにスイスの住所と私用の電話番号を」「住所はあるが携帯を契約していないので電話番号はない」「メッセージを受け取れるなら日本の携帯番号でいい」

「写真はある?」「パスポートサイズの写真を持参した」「OK。あ、4年前のユーザー情報と写真がが残っていた。住所は一緒?」「そう。でも電話番号はもう使えない」「問題ない。じゃあこの記録を使ってカード作ろう」

で、あっさり終了。ちょっと待ち時間はあるかもしれませんが、窓口に行ってみた方が早い一例かもしれません。IDの発行を待っていたら、何週間か先になってしまいますからね。結局必要だったのはパスポートとパスポートサイズの写真(今回は使わず)だけでした。

今日は紙でできたプラスチックのカードが届くまでの一時的な半額パスももらって、これで明日からは半額の身となりました。しかもこのやりとりはすべて英語で済んだので、フランス語がほぼ分からない者としては大助かりでした。スイス国鉄の柔軟さ、ホスピタリティー、職員の能力の高さは尊敬に値します。

写真は昼休みに散歩したジュネーブの植物園から。花盛りでミツバチも忙しそうです。

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2022年3月4日 ジュネーブの植物園にて

 

ジュネーブ0〜1日目

2022年3月2日に成田空港を発って、エティハド航空にてアブダビ経由でジュネーブには3月3日に到着しました。南回りだったので紛争の影響は受けず。

成田空港は第一ターミナルの北ウィングでチェックイン手続きが行われていましたが、使われているカウンターは1列のみ。薄暗くて静かで、早めについた時はカウンターも開いておらず、ターミナルを間違えたかと思うほどの閑散度合いでした。両替や海外旅行保険のカウンターも閉まっているところが多かったです。

今回は初めてビジネスクラスを使わせてもらいました。足が伸ばせるのは嬉しいですね。ワインの選択肢も多く、料理をサーブするときもテーブルクロスを敷いてくれたり、到着時に荷物が出てくるのが早かったり。料理も品数が多い感じがしましたが、一番美味しかったのはジュネーブ到着直前に出たステーキサンドイッチ。玉ねぎのチャツネの甘みとマスタードの酸味が素敵でした。

今回は東からアルプス山脈の北側に沿ってジュネーブに向かう航路だったので、進行方向右側の席だったわたしはアルプスの勇姿を見ることはできませんでした。ハイキングなどで下から見上げるのとはまた違った角度からの姿、楽しみにしていたのですが… そのかわり、やや靄がかかっていましたが、ジュネーブの中心地を上から見ることができました。名物の噴水も写真に写っていますね。

帰ってきたな、という感じです。

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2022年3月3日 ジュネーブ中心部を機内から